君の涙を拭うのは



「もう置いてくよ!?」


「ま、待ってー!」


黒髪のショートヘアで
気の強そうな女に置いて行かれそうになり、
慌てて後を追う彼女。


その後ろ姿を見送り、
彼女が立っていた位置に立つ。


『…確かに綺麗だ。』


俺が見ていた場所より桜を一望出来た。


『同じクラスになれると良いな。』


軽い足取りで体育館に向かった。