君の涙を拭うのは



豊side


手に鈍い痛みが残る。


『痛てぇ…。』


「れ、怜央くん。大丈夫!?」


『ん?大丈夫だよ。』


「豊!幾らなんでもヤリ過ぎ!!」


琉月に怒られ、自分のした事に気付いた。


『琉月ちゃん、あそこの自販機で
冷たいジュース買って来てくれない?』


「え?ジュース??」


『うん、これで三つ。』


「う、うん…。」


琉月が自販機に走って行くのを黙って見送る。


『…豊は寂しいんだね。
でも、いつまでも今の状態は続かないよ。』


私がずっと悩んでいた事を言い当てられた。


豊sideEND