体育館のボールの音が忙しなく響く。
『おらー!よそ見すんな!!
瑛樹は一人で突っ走んな!!!』
何故か俺は監督みたいな事をしている。
「くあー!
お前って意外と熱血なタイプなのな。」
汗だくになった瑛樹が水分を取りながら
俺の隣に腰掛ける。
『お前が「来い」って言ったんだろ。』
「まぁな!にしても、モテるな?」
瑛樹が指差す方向を見ると複数の女子生徒が
わらわらと体育館入口に集まっている。
『……あれがなんだ?』
「…おいおいおいおいおいおい、お前目当てだろ。」
いや、俺には琉月居るから関係ねぇーし。