君の涙を拭うのは



瑛樹side


通り過ぎた怜央の後ろ姿を見る。


" 俺の分までバスケ頑張れよ。 "


そう言うアイツの顔は少し悲しそうだった。


「怜央!!」


大声で叫ぶと少し驚いた表情で振り返る怜央。


「練習とか試合とか……たまには見に来いよな!!
さっきのチーム、お前が鍛えたんだろ!?」


殆ど素人チームでここ迄の
試合をさせるなんて出来ない芸当だ。


「プレイ出来なくても、
お前にはいつまでもバスケ続けて欲しいんだよ!」


『……あぁ!』


照れくさそうに笑い、
怜央はコートから出て行った。


瑛樹sideEND