君の涙を拭うのは



「こら、そこ!始めるぞ!!」


『あ、すみません。』


ピーッ!


結局、誰なのか分からなかったな。


ダン!ダンダンッ!!


リズムカルなボールの音が体育館に響き、
点の取り合いをしている。


「なんで、スポーツ推薦じゃなかったんだ。」


『……その独特なマーク…お前!』


中学の最後の試合で強豪と
言われる学校に俺らは勝利した。

その時、
ライバルと思えたのが目の前に居る男。


羽村 瑛樹(はむら あき)


「久しぶりだな。
こうしてお前と勝負すんのを待ってた。」


闘争心剥き出しで向かって来る瑛樹を
なんとか避ける。


おぉ〜怖っ!
負けた事を今でも根に持ってやがる。