君の涙を拭うのは



美華side


「アンタ…「変わり者」って言われるでしょ。」


「…「お人好しの天然!」とか言われるかなぁ。」


「うん、それっぽい。」


「え!自分ではしっかり者と思うのに!!」


どこがよ。
まともな人間だったら私に近付かないわよ。


目の前に居るのは私が男を金で操って、
襲わせようとした人物。

一目惚れした男をあっさり手にしたこの子は
無垢で汚れを知らなそうな子。

アピールしても目にも止めてくれなくて、
逆に裏目に出るばかりだった。


だから、痛い目に遭わせてやろうって……。


でも、実際に襲われてたら
私は…普通に過ごせていたのかなって思った。

残るのは罪悪感だけだった気がする。


「美華ちゃんって普通に話すんだね!
そっちの方が良いよ♪」


「…余計なお世話よ。」


ごめんね…本当にごめん。


美華sideEND