君の涙を拭うのは



「今のって琉月の声だよね!?」


「開かない!中から鍵が掛かってる!!」


良からぬ事をするつもりなのか。


「鍵取って来る!」


『待て。』


蝶舞と豊が戻ろうするのを止める。


『そんなの待ってられっか!!』


バァーンッ!!


怪我するのをお構いなしにドアを蹴破った。

ドアとして役目を果たさない板を踏み、
資料室へ踏み込む。


『琉月!!』


「れ、お…くん?」


三人の男に囲まれる俺の彼女。

何もされてない様子に安堵するが、
この状況を作った本人を睨む。


「れ、怜央くぅ~ん!
どうしてこんな所にぃ〜~??」


わざとらしい猫なで声で話し掛けて来る。
どんだけ肝が据わってんだこの女。