君の涙を拭うのは



『クラス表はこっちか。』


無事に入学式を終え、
クラス表が貼られている玄関前に向かう。


『……入りたくねぇな…。』


ミッチリと人で埋まる玄関。

余り人の多い所に居たくない俺には地獄だ。

でも、クラスが分からないと
教室に入れないのが現状。


仕方ない。あの手を使うか。


『ねぇ。』


近くに居た女子に声を掛ける。


「はぁ!?何…/////」


『ごめんね。少し通してくれる??』


苦手な笑顔を作り、
女子に道を開ける様に要求した。


「は、はい…/////」


呆然とする女子を素通りして
難無くクラス表の前に辿り着いた。