彼の言う通りにブランコに座りながら待ってた
あーあ、寒すぎる
やっぱすぐに帰ろう
凍死するよりはマシでしょ
そんなこと考えてると彼が戻ってきて
「はいっ、どーぞ」
「へっ!?」
手には暖かいココアの缶ジュースをにぎらされていた
「あと、これも」
そう言って彼はあたしの首に自分がしてたマフラーを巻いてくれた
「えっ、あのそんなっマフラーなんて大丈 夫ですよっ!それにココアも……」
「いーの!俺がそーしたいんだから良いじゃねーかよ」
「あっ、はい。」
「おいっそこは素直なのかよ(笑)」
んん??
この人はよくわからない人だ
…でも一つだけわかることがある
それはとっても優しいということ
マフラーはとても暖かくて
まるで彼そのものだった
甘くてあったかいココアはなんか忘れられない味になる
ジワジワ出てきた涙を隠そうと下を向く

