スーツの王子様~episodeZERO~

私は怖くて怖くて

声も出せれなかった。


死体の欠片はいくつもあって

多分バラバラに切ったんだろう。



しかも、血がついて真っ赤だと思ったけど


血が乾いて赤黒くなっている。


「 響月ちゃん。害虫に会えたよ。嬉しいの?…嬉しくないよね…だって 脅されてたんだから。」


山中雄輔は意味のわからない事を

言っている。


私は何にも出来なくて
ただただその死体の欠片を見ていた。


「 響月ちゃん、やっと僕のものだよ。やっと害虫がいなくなった…」



帰りたい。

私はこの場所から出たかった。