私の顔はどんどん赤く染まっていく。
彼の体温を感じる。
彼の匂いがする。
トク、トク、トク…
心臓の音が速くなっていく。
そっと顔をあげると、真っ赤な顔の彼が、同じように私を見下ろしていて。
まるで時間が止まったかのように感じる数秒間。
瞬きもせずに見つめ合う。
…そんな沈黙を破ったのは彼だった。
「バ…バカじゃねぇの?つまずくとか、ダサすぎじゃん。」
あからさまに私から顔を背けて、バカにしたように言う。
それを合図に、私も勢いよく彼から離れた。
「だ、誰だって、一度や二度の失敗ぐらいあります!」
続けざまに、私はビシッと彼を指差して叫んだ。
「バカ野郎はそっちですよ、バカ野郎!!」
私にバカ野郎と叫ばれた彼は、プッとふき出した。
あれ?いくらなんでも、バカ野郎とか子供っぽすぎた…?
まだ笑い続けている彼をキッと睨みつけ、
「い…いつまで笑ってんですか、失礼すぎです!!」
私は、笑っている彼の横を通り抜けようと思った。
だが、私はあることを忘れていたのだ。
一歩を踏み出した瞬間 足首に鈍い痛みが走った。
すると、彼がそれに敏感に気付き、
「足、くじいたんだろ。」
なぜか半笑いで問いかけてくる。

