カーッー!カーッカーッ。


『んっ……カラス……?ふぁぁあ、って、え!?もう、夜の7時?!』



 やばいよー。
 お隣さんに挨拶行ってない~

 急いで、渡すものを持って
 玄関を出た。


 
 ピーンポーン

 あー。緊張する。
 緊張する。うぁぁぁ。

 ガチャッ……



『はーい、どなたですかー。』



 元気そうな子だなあ、
 優しそうな男の子
 同い年ぐらいだ。



『あ、隣に引っ越してきました!一ノ瀬 小春っていいます!4月から中学生です!』

 
男の子はポカーーンとして私を見ている。



『え、もしかして一人暮らししてんの?』

 
男の子はビックリしたように聞いてくる。


『あ、はい。今日からです!』



『そうなん!俺も一人暮らしだよ!んまあ、自己紹介とかしたいからさ家んなか入って!』



 私は男の子に押されながら
 謎の、元気な男の子の家におじゃました。

 

『えっと、改めまして、鈴木 春斗です!はると って呼んで!あ、そうそう、小春ちゃん?と同じで俺も4月から中学生だよ!』

 
 同じだ!



『あ、そうなの!一緒だね!じゃあ、タメでいい?』



『当たり前じゃん!タメで話してね!てか、お互い名前に 春 って漢字が入ってるね!二人会わせてはるはる的な?』

 
 ぷっ、!
 私は思わず吹き出してしまった。



『そうだね!はるはるだね!春斗君よろしくね!』



『春斗でいいよ!俺も小春って呼んでいい?』



『もちろんいいよ!あ、じゃあ、私そろそろ部屋に戻るね!』

 

 私が立ち上がった瞬間……
 
 グイッ…!
 春斗に思いっきり引っ張られた。


『春斗……?』



『あ、ごめんごめん小春!実はさここのベランダ繋がってるんだよね、だから、ベランダから行ったり来たりできるんだよ!』


 ベランダ?繋がってるんだ、!
 


『小春!おいでおいで』

 
 春斗に誘導された私はベランダへと
 移動した。


 
『あっ、ほんとだ!繋がってる!』



『でしょ!ここから、毎日来てもいいよ!』



『まっ、毎日!?』

 

 春斗の言葉に戸惑う私。



『うそうそ、小春は焦ったら可愛くなるね!』

 

 そんなことをサラッと言って
 自分の部屋に戻る春斗。

 カアァッ……



 あ、絶対、私今顔赤いよね?
 やばい、春斗の笑顔かっこよすぎて
 反則過ぎるよぉ。




『あ、春斗!今日はありがとう!今度は私の部屋が片付いたらおじゃましに来てね!』



『おうよ!明日にでも行こっかな!』



『明日!?まあ、朝は起きてないと思うけど、、、。』



『わかった!じゃあ、小春が呼びに来てね!』



『うん!分かった!』

 

 ねぇ、なんか、これって
 同居生活みたいじゃない??

 一ノ瀬 小春……これから楽しく過ごせそうです!!