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『笑うとお日様みてぇ』
その言葉がずっと頭の中でリピートされる。
夜、私はお風呂に入りながら今日のことを思い出していた。
お風呂は元々好きだったけど、今日は特別に気持ちいい。
湯船に浸かって昼の事を思い出しては何とも言えない気持ちを噛みしめる。
あんな事言われたの、初めて。
私はさらに深く浸かって、口でブクブクと泡を立てた。
……吉田さんの方が、ずっとお日様みたいなのに。
優しくて、あったかくて、心地いい。
そういえば、クリームパンのお礼しなきゃ。あとあんこパンと、風呂敷の事も。
勇気づけられてるだけじゃなくて、沢山気を使ってもらってる。
何がいいかな。吉田さん、甘いもの好きみたいだし……ケーキとか?
何か、私に出来る事をさせてほしい。
友達ができるってこんな感じなんだ。
あ、でも吉田さんは3年生だし、友達とは言えないか。
じゃあなんだろう。先輩と後輩?
でもそれだったら上級生の誰とでも当てはまるかな。
知り合い……はよそよそしてくて嫌。
お昼を食べる、仲……
あ、昼仲。
うん、そうだ。昼仲。
私は頷くと、湯船から勢いよく出た。
……のぼせた。
