貴方と月と、少しの勇気と。



「返品不可だ。なんで細いのにダイエットしようとすんだよ」

「いや、ダイエットしているわけでは……」

「じゃー食え。女子は少しくらい太ってる方が可愛い!」


真剣な目で言い切る吉田さん。

……なんだか、言ってることがおじいちゃんと一緒だ。


「ありがとうございます」


クスクスと笑いながら吉田さんを見る。

と、吉田さんは少し驚いた顔で私を見ていた。

……何かまずい事を言っちゃったかな。

少し心配を感じていると、吉田さんは手を離した。離れる体温が少し寂しい。


「お前、全然名前負けしてねぇじゃん」

「え?」


吉田さんは綻ぶような笑顔を見せた。


「笑うとお日様みてぇ」