貴方と月と、少しの勇気と。



その日の授業はあまり集中出来なかった。

頭の中は今朝の深谷君の事がチラついていたけど、ほとんどは吉田さんの事を考えていた。

あの人は、少し不思議な人なのかもしれない。

じゃなきゃ、私みたいな人に一緒にお昼ご飯を食べようなんて言わない。


だから、


「こっち来いよ。ほら、座れ」


こうやって私に笑いかけてくれるんだ。