次の日の朝。
私は昨日会った吉田さんの事を思い浮かべながら登校していた。

あんなに人と会話したのは久しぶり。

笑顔も声も言葉も、凄くあったかい人。

その分、罪悪感がこみ上げてくる。

なんであんな、後からややこしくなるような嘘をついてしまったんだろう。

それでも、私の言葉を信じて手伝ってくれると言ってくれた事が幸せ。
こんな私でも、優しくしてくれる人がまだいるんだって。

騙しているのにこんな気分になるなんて……とトボトボと歩く自分の影を見ながら歩いていると、いつの間にか学校に到着した。


下駄箱で靴を履き替える。

すると突然、後ろから肩を掴まれた。