そしてそのまま勢いで言葉を紡ぐ。
「……ずっと、好きな人がいて。でもその人は私の事嫌いなんです」
「そっか」
冷や汗がダラダラと頬を伝った。
全て深谷君を思い浮かべながらを言ってるけど、勿論私は深谷君の事を恋愛対象に見たことは無い。
でも、嘘はもう取り消せなかった。
「俺、協力するよ」
「え?」
「お前の恋、協力する」
思わず悲鳴を上げそうになった。
ごめんなさい、嘘なんです。
と心で謝っても聞こえるわけがなく。
震える声で
「ありがとうございます」
と言うと、吉田さんは頷いた。
「明日の昼、またここに来いよ。一緒に昼飯食おうぜ。作戦会議だ」
「はい」
ニコッと笑う吉田さんに、何も言うことが出来ない。
この時、この嘘が私の学校生活を180度変えるなんで思いもしなかった。