「ところでなんでこんなとこまで来たんだよ?普段開いてねぇだろ?」


下に降りると、パンが数個並べてあった。
吉田さんはそこにあぐらをかき、そのうちを私に渡しながら言った。見ると『粒あんきなこ黒みつパン』と書かれた凄く甘そうな物だった。


「あ……ありがとうございます。
その、何となく屋上が気になってきたら開いていたので」

「ふぅん」


吉田さんは『プリン&チョコ&ハニー』というパンをムシャムシャ食べ始める。……この人、意外と甘党なのかもしれない。


パンも気になったけど吉田さんの言葉も気になった。
それを言うなら何で吉田さんもここに来たんだろう。

パンまで持ってきて、まるでここが開いていると知っていたみたいだ。

それを聞く度胸は私にはないけれど。