貴方と月と、少しの勇気と。



「そんな事ねぇよ。てか初対面なのに名前負けとか分かんねぇし」


その声に反射的に顔を上げた。

確かに、そうかもしれない。それより、そんなことないって言ってくれた事が嬉しかった。

再び吉田さんと目が合うと、彼はニッと笑った。その笑顔がすごく眩しい。



「んじゃ、こんな危ねぇ所じゃなくて下にいこうぜ」