貴方と月と、少しの勇気と。



「いってー……」


頭上から聞こえてくる声。私は誰かの上に乗っているらしい。


「……すいません」


身体をどかしながらそう言う。


見ると、茶髪の男の人が頭を痛そうに抱えていた。
ネクタイの色からすると三年生みたいだ。


ぼうっとその人を見ていると、突然その人は思い出したように勢いよく起き上がって、


「お前何やってんだバカ!!」


と私の肩をガッチリ掴んで言い出した。