好きな子だれだ

「何だよ」
拗ねた…?風愛梨、この人なら信じられるかも…。だって、風愛梨にはありのままを見せてくれてるよね…?信じてみても、良いのかな…。
「えっとね、春野 風愛梨です。2-Cで、好きな食べ物はお好み焼きです。えへへ。」
いつの間にか涙は止まってた。
「じゃあ、風愛梨。俺の彼女になれ。彼女のフリをするだけで良いから。まぁ、お前から告白してきたわけだし?もちろんオッケーだよな?ま、お前に拒否権はねぇよ?」
また、ブラックスマイル…。
「ふ、ふり?」
「ああ。ま、色々あるんだよ。良いだろ?こんなイケメンと付き合えるなんて、滅多にないぞ?ははっ」
イケメンって…。確かにそうだけど。フリをするって、どういうこと?
じゃあ、神上くんは風愛梨のこと好きなわけじゃないんだよね?…もともと愛がないなら、傷付くこともないんだよね。遊び感覚で付き合うってことだよね?なら、風愛梨の傷を癒すには、ちょうど良いのかも…でもでも!だめだよね!?そんなの。拒否権はないって言われたけど、
「やっぱ、だめだよ!」
「は!?」
神上くんは驚いた顔で、風愛梨を見る。
「だ、だって、遊び感覚で付き合うなんてっ…。」
「はぁ~。お前さ、どうせ何か嫌なことあったんだろ?で、何か傷を癒してくれるもの探してたんだろ。だってお前俺のこと好きじゃねーよな?なら、ちょうど良いじゃん、恋愛ごっこで気を紛らわせば。」
う!全部お見通し…。恋愛ごっこ…ね。
「う…ん。」
「よし、じゃあ今日から俺たちはカップルだからな!分かってるだろうけど、どっちかに本当の好きな人が出来たら終了だからな。」
そっか…。フリをするだけだから、好きな人が出来たら終わりなんだよね…。
「はい!」