え…?あれ、今の、私が言った…?周りの人達の視線がっ…。そりゃそうだよね、こんなカッコイイんだもん。もしかして、彼女いるのかも。ううん、いないとおかしいよね。
何言ってんだ、私。初対面でいきなり!引かれたよね…最悪。
「ま、間違えまし…」
「うん。付き合う?」
???は!?今、なんと???付き合う?って、言ったよね…。えっ、
「え、えーーーーーっ!?」
びっくりしすぎてる私に、
「えーって、好きなんじゃないの?付き合わない?」
王子様スマイルで言われてしまった。
「つ、付き合う…けど…。」
まさか付き合ってくれるなんて…。そして、周りの女子からの視線がぁ…。何て思っていると、
「春野さん、来て!」
「ぅへぇ!?」
グイッと手を引かれ、廊下を通り抜けて誰もいないような校舎の裏に走った。ううん、連れてこられた。
キョロキョロと周りの様子を確認すると、
「よし、誰もいないね。」
ニッコリ微笑まれた。んー…気のせいかな?さっきの笑顔とは違う気がする…。さっきのは王子様スマイルだから、これは…うーんと、ブラックスマイル…気のせい…?
「あ…の!」
「ぅっせぇな。お前が付き合うっつたんだろ」
…んん?今、誰が?えっと…、えぇ!?
「ふ、双子っ!?」
「チッ」
ちっ?し、舌打ち…された。何か、性格違くない!?
「あの…えっと…」
「言っとくけど、俺、年の離れた弟しかいねぇよ」
「じゃ、じゃあっ、二重人格っ!?」
「チッ、違ぇよ。うっせぇな。」
じゃあ、王子様はいないってこと?じゃあ、さっきのは演技?
「えっ、えっと…好きじゃなかった!あははははは!」
笑うしかないね。そして、逃げる!その場を去ろうとした時、
「だめ」
ギュッ
えっ?後ろから抱きしめられてる…?ちょっともぅ心臓ヤバイって!風愛梨をいじめてる?それとも…
「俺は風愛梨の事、好きだよ…」
ボフッ
か、顔から火が出そう…。心臓もヤバイよぉ…。もしかして、本心…?

