それから数日、更年期の影響かママの態度が明らかにキツくなった。
周りの子に何となく聞いても、やっぱ更年期じゃない?との返事。

龍斗くんへの営業は続いてたので、その事も相談していた。
でも、私が本気で悩み過ぎて、ちょっと飲みながら話しませんか?という流れになった。

もちろん、ママには内緒。私も龍斗くんに聞きたい事があったし。

日程を合わせて龍斗くんと合流。
どこに行くかも決まってないまま、とりあえず龍斗くんがよく行くお店へ。

まず、私が疑問に思っている事をぶつけた。営業をかけて、龍斗くんが来る予定だったけど、来ない日があった。
その日の後に、ママから「あんまり龍斗くんにしつこくしないで!しつこくされるの嫌いだから来なくなっちゃうからさ」と言われた事があった。

私は、龍斗くんからママにそういう御触れがあったのかと思っていた。
それならそれで、謝罪をしたいと思ってた。
でも、その割にはメール返してくるし、普通の会話している。こうやって飲む約束までしている。ていうのがママが言っている事と、どこか矛盾していると思った。

ママから言われた事、店外もしなくていい事、話を進めていくと、龍斗くんから「あそこのママはそんなに厳しいのか」と。そして極め付けは露骨に私と龍斗くんを引き離した事。

「流石にそこまでするのはおかしいよね…」
龍斗くんもやっぱり同じ事を思っていたみたい。

そして龍斗くんと私を引き離した日の後、送迎の時にママから「◯日に龍斗くんとご飯行くの?」と言われた。
何故知っている?脳ミソ使えるだけフル回転させて龍斗くんとの会話を思い出した。確かにご飯には行くけど、お互いに“何日に行く”なんて話は一切お店でしていない。

私は当然知らばっくれた。「え?どういう事ですか?いつですか?よく分からないのですが…」
「だって、この前付いてた時に楽しみがあるんだから酒飲むのはよせ。みたいな会話してたじゃん」

あーーね。

「それは聞き違いじゃないですか?お酒飲むとろくな事ないからよしとけ。とは言われましたけど…」
それは本当に言われたから、そのままママに言った。

そもそも、その会話をしてた時にママは厨房にいたはず。そんな大声で話してたつもりもないし、一体どこに耳がついてるんだ。


そして龍斗くんから言われた一言が私を動揺させた。
「お前、ママからカマ掛けられてたんだな。後、ヤキモチ妬かれてると思うぞ?」
「え?」
若干頭の中がパニック。

だって、今までにも夜の仕事はやってきたけど、どこのお店でもお客さんを呼んで怒られた事はないし…

「いや、さすがにそれは無いんじゃないかな…」
と言いつつも、少し自信が無い私。
だけど、龍斗くんの言っている事を聞くと、まんざらでも無いかもって。
妙に納得してしまった。