第二秘書は恋に盲目

「次に、明日までに何とかすべきなのがそのふざけた格好だ」

「べ、別にふざけてるつもりは」

眼鏡越しに冷たく睨まれ、はっと口をつぐむ。

「…すいません」

「そこのクローゼットに前の第二秘書や前の前の第二秘書やそれよりも前の第二秘書の服が入ってる。
適当に使っていい」

ちょっと、何代前まで遡ったよ？

「あの、私よりも3人も前の秘書の方の服なんて、ずいぶん年月が経ってるんじゃないですか？
バブルの時の物なんてのはさすがに…」

「何言ってんだ。
お前の3人前の秘書が辞めてから半年しか経ってない」

「半年…？」

なんてこった。
それって、すぐに辞めてるってことじゃない！