第二秘書は恋に盲目

「あの、笠原さん聞いてます?」

「え、えぇ…」

「直接ウィルの名前を書いた訳じゃないし、そういうのも駄目ならそう言ってもらわないと。
これって、私だけの責任じゃないですよね?

だから、社長には黙っててもらえません?」

…呆れて物も言えない。
彼女は言い訳をするためにここに来たの?

「下河園子。明日から来なくていい」

そう言ったのは、戻ってきた桐山社長だった。

「ですが社長、下河さんは下河財閥のご令嬢ですよ」

ウィルの案内を終えた槇島さんも一緒だ。