第二秘書は恋に盲目

「あ、あの!
私まだ何も…」

「下がっていいと言われたらすぐに下がる。
余計なことは聞くな」

「だけど、わからないことばっかりで。
…娘の世話ってなんなんですか?」

それにあなたは誰ですか!
いかにもできる男って感じだけど…。

すると、その人は眼鏡をくっと中指で上げた。

「説明は俺がする。
まず、俺は第一秘書の槇島大輔だ」

第一秘書?

ここで私は初めて知った。
ここには秘書にランクがあるんだと。
槇島さんが第一秘書で私は第二秘書。
確かに、秘書室となるこの場所にはデスクが2つ用意されている。
だけど、おそらくまともに仕事をさせてもらえるのは第一秘書である槇島さんだろう。

せっかく秘書になれたっていうのに…。
名前こそ第一秘書と第二秘書だけど、数字以上の開きがあるんだろうな。ここから這い上がっていかねば。