第二秘書は恋に盲目

でもそんなの無理だから、ここは私から話題を振って誤魔化そう。

「そういえば、須藤先生は知ってたんですか?
晶子さんの再婚相手の娘が私だって」

「知らないわけないだろ?

だからあんたが病院抜け出したときも、俺が対処に当たったんだ。
もし俺の身内がそんなことしたってバレたら、誰に足元掬われるかわかんねーからな」

思いっきり脱走の話題に繋げられてしまった。
それに、いつの間にかあんた呼ばわりされてること、敬語じゃなくなってることには目を瞑ろう。

「それで、言い訳があるなら聞くが?」

約束の期日が過ぎても病院に行かなかった理由…。
忙しかったからなんて言ったら余計に怒られそう。

「ありません。
すいませんでした。」

須藤先生が厳しいのは、私の身体を心配してのことであって、こればっかりは私に非がある。素直に受け入れよう。