第二秘書は恋に盲目

「指綺麗だね」

ふわっとした笑顔でそれだけ囁くと、手は離れた。

「手伝いに来た」

「え、そんな。大丈夫だよ」

私がそう言うのも聞かずに、雅樹君は隣で食器を拭き始めた。

…何だったんださっきのは?
今の若い子達の間ではああいうコミュニケーションが一般的なの?

気になって隣を見ると目が合ってしまった。

どうしよ!
変に思われたかも!

だけど、そう焦る私に微笑みかけてくれた。
雅樹君は何ともない様子。
困惑している私の方がおかしいらしい。