第二秘書は恋に盲目

夕食を食べ終わった私は、逃げるように台所で片付けを始めた。本当は帰りたかったけど、私のいないところで娘さんを手術しました、なんて報告されたら困るから見張っとく必要があった。
晶子さんには、そんなことしなくて良いのにと言われたけど、半ば強引に。
だってここしか安全じゃない気がするから。

洗い物をしていると、須藤先生の弟、有名大学の医学部4年、雅樹君が来た。
目を合わせてきたから、何か話があるのかなと思っていたら、真横に立って私の手に自分の手を添えた。

「…ど、したの?」

ポカンとしていると、どんどん指が絡められていく。
え、ちょっと、なにこれ…?