第二秘書は恋に盲目

「あらー、千歳ちゃんお帰りなさい。
さ、ご飯できてるから座って。
千歳ちゃんは聡さんの隣ね」

「…は、はい」

ガッチガチに固まった身体で恐る恐る椅子に座る。
私の心境とは裏腹に、和やかな雰囲気。

だけど…。

だけどだけど。

嘘でしょ…。
そんなの聞いてない。

今一番会いたくない人が目の前にいる。
真っ黒なスーツを着た、須藤先生が目の前にいる…。

「ど、どうも…」

心臓がうるさい中、控えめに頭を下げるが思いっきり無視される。
まさか私が病院に来ないから、実家まで来ちゃったの?
いや、そんなはずはない。
普通にここに座ってて、晶子さん側にいるということは、考えたくないけどまさか……。