笠原さんは別の場所で話そうとしたが、あやめちゃんが私も一緒にいたいと言うのでその場で話を聞くことにした。
「まず素朴な疑問なんですけど、どうやって病院を抜け出したんですか」
「夜中に病室の窓から」
「は?」
「だから、夜中皆が寝静まった後に窓から外に出たんですよ。
病室の窓からだったら人に見られる心配も無かったし…」
「あなたの病室2階ですよね?
窓から外に出るなんて無茶だ」
あの病室の窓の外にはベランダも何もない。
「2階なら飛び降りれない高さじゃないですよ。
あの時はまだ痛みもそこまでなかったですし。
着地の時はさすがに痛かったですけど、でも痛みに負けてられなかったんでそのまま逃げました」
そんな精神力の問題じゃないんだろ。
馬鹿は風邪をひかないのではなく、風邪をひいたことに気付かないのだろうが、それと同じことなのかもしれない。
この人は痛みに鈍いんだ。
例え痛みを感じたとしても、変に強い精神で乗り切る。
だから何度も同じ失敗で痛みを味わうことになるんだ。
大声を出したり急に動いたりして痛みにうずくまるというのを、何度繰り返したら気がすむんだよ。
「まず素朴な疑問なんですけど、どうやって病院を抜け出したんですか」
「夜中に病室の窓から」
「は?」
「だから、夜中皆が寝静まった後に窓から外に出たんですよ。
病室の窓からだったら人に見られる心配も無かったし…」
「あなたの病室2階ですよね?
窓から外に出るなんて無茶だ」
あの病室の窓の外にはベランダも何もない。
「2階なら飛び降りれない高さじゃないですよ。
あの時はまだ痛みもそこまでなかったですし。
着地の時はさすがに痛かったですけど、でも痛みに負けてられなかったんでそのまま逃げました」
そんな精神力の問題じゃないんだろ。
馬鹿は風邪をひかないのではなく、風邪をひいたことに気付かないのだろうが、それと同じことなのかもしれない。
この人は痛みに鈍いんだ。
例え痛みを感じたとしても、変に強い精神で乗り切る。
だから何度も同じ失敗で痛みを味わうことになるんだ。
大声を出したり急に動いたりして痛みにうずくまるというのを、何度繰り返したら気がすむんだよ。



