第二秘書は恋に盲目

「恋愛トークがしたいなら他をあたれ。
そういう話なら女同士の方が盛り上がるだろ」

「だって笠原も彼氏いないし。
私の周りってモテない大人ばっかり…」

俺はモテないわけじゃねーよ。
そう言いそうになったのを喉で押し止める。

「悪かったなモテない大人で。

話し相手が大人である必要もないだろ。
学校で同級生と誰が好きとか、話せばいい。そうやって無駄な時間を過ごして来い」

「だから同級生は子どもすぎてつまんないの!

はぁ。
須藤先生も参考にならないことわかったし、もういいや。
私明日からは来ないから」

「おい…」

一気にご機嫌ななめになったあやめちゃんは、スタスタと廊下を歩いて行ってしまった。
同級生と話せって言われたのがそんなに嫌だったのか?
子どもすぎてって言ったって、自分も十分に子どもだろ。

…だけど、取り敢えず明日からは付きまとわれずに済みそうだ。
正直言って、1人の小学生を相手してる時間なんて無いからな。