第二秘書は恋に盲目

「危ない」

そんな須藤先生の声が聞こえたかと思うと、笠原の腕を掴んでぐっと引き寄せた。
勢いに任せて笠原は先生の胸の中に飛び込む形となり、次の瞬間、私たちのすぐ横を車椅子に乗ってはしゃぐ子ども達が駆け抜けていった。

危ないなー。

けど、今はそんな子どもに注意を向けてる場合じゃないの。

ふと顔を上げた笠原は、須藤先生との距離がゼロであることに気づいたのか、顔が真っ赤に染まっていく。そんな笠原を見て、須藤先生はいたずらっぽく笑った。

見つめ合っていたのは、たぶん1秒にも満たない短い時間だったけど、私はそこにふたりの想いを見た気がした。

さては先生、嫉妬心にかられてわざと笠原に触れられるような助け方をしたね?

案の定、テンパる笠原を見る須藤先生の目は満足そうだ。