第二秘書は恋に盲目

「素敵ね。まるで運命の出会いじゃない！」

夢見る少女のようなことを言い出したのは母さんで、目をキラキラさせている。

まぁ、母さんを言いくるめるのは簡単だろう。こういう運命とかいう言葉にめっぽう弱いし、千歳のことも気に入ってるんだから文句なしのはずだ。

「俺も反対じゃないよー」

だが俺は千歳に言いたい。もう少し上手くやらないと、この雰囲気で父さんはふたりの仲を認めるはずがないだろ。

「自己管理もできないし、事件に巻き込めれても何の連絡もない。そんな未熟な娘が結婚を前提にだなんて、早すぎると思わないか？」

母さんに問うような形をとっているものの、父さんは明らかなる反対の意思を示している。

「そう？ふたりとも十分大人じゃない」

「そうよ！お父さんはいつまでも私を子ども扱いしすぎ！」

「それはいつまでたっても心配をかけるからだろ！」

「かけてないよ！」

また始まった…。