「今日は二人に話があって来た」

そこで遂に兄貴が口を開いた。さすがの兄貴にも緊張の色が見える。その横で瞳孔開きそうな勢いの千歳がちょっと不安だけど…。

「俺と千歳は…、結婚を前提に付き合ってる」

家に雷でも落ちたかのような衝撃が走った。

こんな簡潔に伝えるとは思わなかった。兄貴ならもう少し、遠回しに説得的に話すと予想していた。
ここまで衝撃的な事実を伝えられると、さすがの母さんも目と口を開けたまま言葉が出ない。
一方、父さんは驚きはしているだろうけど、静かに目を閉じて腕を組んだまま黙っている。