家に兄貴と千歳が来た。
ふたり揃って来たということは、おそらく、そういうことなんだろう。

両親と兄貴と千歳の4人が食卓に座った。俺は会話の内容こそ気になるけど、混ざる気にはなれなくてソファーに座って耳だけをそっちに向けた。

「ふたりが一緒に来るなんて、仲良くなったみたいで嬉しいわ」

母さんは普段通りのお気楽さで、ふたりの距離がようやく縮んだと手を叩いて喜んでいる。

そんな母さんを、千歳は笑って眺めているが、その笑顔が不自然極まりない。