第二秘書は恋に盲目

だけどそれから30分後、看護師さんに連れられてあやめちゃんがやって来た。
その表情はどこか不機嫌そう。

「別に笠原が心配で来たんじゃないし。
ホテルに帰るよりも病院の方が近かったから。
あと、変に真面目なカテキョつけられても面倒なだけだから。
気まぐれで来てあげたの」

何この素でツンデレをいく小学生。
すごい可愛いんだけど。

「そっかありがとう」

「だから笠原の為じゃないってば」

ちょっと怒って言うと、ランドセルを肩から下ろした。
それを見て、昨日見たいに私に投げてくるだろうと身構える。

だけどあやめちゃんは、ランドセルをベッドの端にぽんと置いた。

あれ?
これは、傷を負っている私を気遣ってくれたのだろうか?
そんなの、嬉しすぎるよ。