第二秘書は恋に盲目

こうして金子先生が委員長に連れていかれたことで、今回の事件は一件落着を迎えた。
明石も傷口が悪くなったりしてなかったみたいで、須藤先生は寝てろとだけ言って病室から出てきた。

「あやめちゃんが走って向かってきたときは、笠原さんの影響で遂に狂ったかと思ったけど、あの隙に明石が病室に戻ってたんだろ?
親しくもないのに、よくそこまで力を貸したな」

「気づいてたの!?

ま、何て言うか、金子先生に好きなようにさせたくなかったから」

廊下を歩きながらそんな話をする。
ってか、明石なんて言う奴に力を貸したんじゃないし!
そこは大事なポイントだから、ちゃんと言っておかないと。

そう思ったとき、ぽんと頭を撫でられた。

「助かったよ」

きゅん。
キリキリしていた心がほっと落ち着く。

須藤先生が優しい。
危ない。きゅんとしてる場合じゃない。

さては笠原、須藤先生のこういうギャップに惚れたな?