第二秘書は恋に盲目

よし、一旦落ちつこう。
笠原は須藤先生との関係がバレて焦っているだろうし。しっかり見とかなきゃ。

「金子さんは私が須藤先生と恋人関係だとおっしゃりたいんですか?それは違いますよ。
須藤先生に同じことを問いただしても、呆れられるだけでしょう。

…須藤先生の弱味につけこむつもりだったんですか?」

あれ?
笠原がいつもより強気だ。
絶対あわてふためいて、すぐに嘘が顔に出ると思ったのに。
そうじゃなくても、須藤先生の名前が出ただけで顔赤くしそう。

そんな笠原が、見知らぬ男に対して負けてない!すごく堂々としてるし、どうしたんだろう?

「誤解をしていただきたくはないのですが、須藤先生を嵌めようなどという気はありませんよ。
あなたが病院を抜け出し、それを須藤先生が見逃した。そのことについて、きっちり報告していただきたいと思いまして。それで須藤先生の立場が危うくなっても、それは身から出た錆というものです」

「見逃されてなんていませんよ。
事情を察した須藤先生が、通院に切り替えてくれたんです。
意外と患者のことを思ってるんですよ。良い先生じゃないですか」

笠原が須藤先生を褒めると嘘っぽく聞こえてしまうのはどうしてだろう…。
これが笠原の本心なのかどうかは、私には判断できない…。