第二秘書は恋に盲目

廊下に出た瞬間、そこには金子が待ち構えていた。

あー…。
かなりどんよりした気分になる。なんというか、金子と遭遇してしまった時点で既に面倒に巻き込まれている予感。

「どうしたんです?何か騒ぎがあったようですが」

「いえ、大したことではありません」

俺は早くこの場を離れたかった。だが、金子は自分のペースで話を続ける。

「明石勇輝さんは、明石議員の息子さんですからね。失礼のないようお願いしますよ。
もしも勇輝さんに何かあったら、あなたでは償いきれないでしょう。それでも、この病院にいられなくなるくらいは、覚悟してもらわないといけませんが。
もちろん明石議員にも配慮を欠かさないでください」

口元がにやりと笑っている。何か企んでるようだが…。