第二秘書は恋に盲目

そのまま黙って寝るかと思いきや、騒ぎで駆けつけた俺達を見据えて明石は一言、こう言い放った。

「さっさと出て行けよ」

イラッ。

なんつーガキだ。
誰のせいでここまで走らされたと思ってる!

周囲の看護師は苦笑い。
有名な人物や金持ちを患者にすることが多いこの病院では、こういう横柄な態度をとる患者には皆慣れているのだろうが…。
俺は腹が立つ。

仕方ないとばかりに帰っていく看護師をよそに、俺はパイプ椅子を立て直しそこに座った。

扉が閉まり、2人になったところで明石は物凄く不機嫌そうにこっちを見た。

「なんで残ってんだよ。
出て行けっつっただろ」

明石はそう強気に言いながらも、痛さに顔を歪めている。