第二秘書は恋に盲目

それから数日。特に金子が変わった動きを見せる事もなく、いつものように時間は流れていく。
だが、今日は緊急の手術が入った。
自転車に乗っていた男子高校生が、曲がり角で自動車にはねられ大怪我をしたらしい。
受け入れを許可して、速やかに手術に取りかかった。
重傷ではあるが、命に別状はないレベル。後の回復にも気を使って、身体に負担がかからないように手術を進めた。

無事に手術を終えてオペ室を出ると、そこには彼の両親が待っていた。よく見ると、父親はテレビにも出演する有名な国会議員だ。

「あの、息子は…」

「手術は成功です。暫くしたら目を覚ますでしょう」

そう言うと、安心したように2人で手を取り合っている。
命に関わるような怪我でなくても、心配するのが親というものだろう。これが普通の反応だ。

それにしても、この明石という議員は政界では力を持った人物だ。病院に運ばれたのがその息子だと、金子が気づかない訳がない。普通なら真っ先に自分が手術をすると言い出しそうなのに、どうして俺にやらせたんだ…?

その疑問が解けたのは、それから数日後のことだった。