第二秘書は恋に盲目

今まで俺は、人と深く関わることを避けてきた。麻酔を打たれた患者と向き合って、その命を救うことが俺の役目だから、特に問題も無かった。
俺は1人でいい。
敵を作りやすい俺はそれでいいんだ。

ただこんな、人生をこなすだけのような生き方は、誰かに羨ましがられたり、凄いと言われたりするような代物ではない。
もし来世があるんなら、もっと上手く生きてみたいかもな。

千歳の悩みながらも突き進む生き方は、カッコいいしきっと充実してる。俺には出来ない生き方だ…。

「たか、ひろさんの生き方も…、カッコいい、ですよ」

「…」

なんだ今の。
寝言…?

「はっ、タイミング良すぎだろ」

思わず笑ってしまった。