火照る顔を掌で冷ましながら、帰り道とは逆方向に私は1人歩き出した。

「おい、どこ行くんだよ!」

「飲み直し!明日休みだから飲みたかったのに、全然だったから」

「じゃあ俺も行く」

そう言うと簡単に私に追い付き、平然と隣を歩いている。

「なんでですか!さっき明日早いって言ってたでしょ」

「あー、あれ嘘だから平気。本当は休みなんだよ」

なんだと…!

「もー、嘘ばっかり!」

心から出た叫びだった。
孝宏さんの言ってること、どこまでが本当でどこからが嘘か全然わからない!