第二秘書は恋に盲目

「なんだよ、お前もあの場にいたくなかったんだろ?」

「そうですけど…」

下河さんや岡崎さんから庇ってくれたのかと思って、少しでもときめいてしまった私のバカ!恥を知れ!

「まさか本気にした?
元後輩が言ってたように、優しい言葉をかけられて俺に惚れたとか?」

「なっ…!」

この綺麗に作られた笑み。私にとってこの表情は天敵だ。
これを向けられた後は嫌なことしか起こらない。

今になって、絵美さんとの会話が記憶から飛び出してくる。

…頑張って抑え込んでたのに!

『確実に他の男性とは何かが違って見えてるってことなんだから』
『ハプニングという運命が2人を引き合わせたと言っても良いんじゃないのかしら?』
『意外と運命の相手は身近にいたりするものよ?』