第二秘書は恋に盲目

「でもあんなの、時間の無駄にも程がある。
お前の元後輩にはうんざりだ。計算して行動するならもう少し上手くやれってんだ。隙あらば触ろうとしてくるし、いちいちリアクションでかいし。どこかで聞いたようなモテる仕草を詰め込んでるみたいで気持ち悪かった」

「…容赦ないですね……」

言ってることがわからなくはないけど、さすがに下河さんが可哀想に思えてきた。

「どう抜け出そうか考えてた時にちょうど千歳が現れたから。上手くいって良かった」

上手くいってよかった…?
そこで、合コンを抜け出すまでのあれやこれやを思い出す。

「あ!やけに優しいと思ってたら、抜け出すために私を利用してたんですね!」

まったく。
私を使って上手く話を誘導していけば、抜けられるし下河さんの手からも逃れられるって瞬時に判断したんだ、きっと。
今までの付き合いで、私の言動のパターンもおおまかに予想できただろうし。

けっ、なんて男だ!