第二秘書は恋に盲目

そんな下河さんのボディタッチを手で払いのけると、孝宏さんは立ち上がった。

「明日早いからもう帰ります。笠原さんも、こんなことしてるのが社長にバレたらまずいんじゃないですか?」

「あ…、そうですね。私も帰ります」

助かった!
そう思って個室を出る。

しかし、孝宏さんを帰したくない下河さんは出口までしつこくついて来て、どうにか引き止めようと頑張っている。

「もう少し飲みましょうよ。今からが楽しい時間じゃないですか。
あ、笠原さんはもう帰っていいですよ」

最後の最後まで腹が立つな。