第二秘書は恋に盲目

そして、持っていたグラスを雑にテーブルの上に置くと、わざとらしく大きな声を発した。

「ですよねー、絶対無理!ってか頼まれてもそんな生き方したくなーい。ね、岡崎さん?

自分からその生き方選ぶなんて、確実に人生損してますよ?
もっと賢い生き方、私が教えてあげましょうか?」

はぁ?

「まぁまぁ。
それで、笠原さんは下の名前なんなの?」

このままだとより険悪なムードになることを察して、岡崎さんが話題を変えようとなだめに入る。

「えっと、千歳です」

「へぇ、可愛い名前だね。じゃあ千歳ちゃんって呼ぼうかな」

「え…」

…気を遣って話を逸らしてくれたんだろうけど、その逸らし方は求めていないんです。ごめんなさい。