第二秘書は恋に盲目

着信は、お父さんから。
こんな時間に電話をかけてくるなんて珍しい。

「どうしたの?」

『あぁ、千歳か。
今日は大事な話があってだな。
そのー、なんだ。
この前紹介した人いただろ?』

お父さんは少し言いにくそうにして言った。
その声で話の内容に察しはついた。

「晶子さんのこと?
うん、覚えてるよ」

『あぁ、そう。晶子さん。
その人と、その、…正式に再婚しようと思ってな。

…千歳はど、どう思う?』

予想してた通り。
やっぱり再婚の話だった。

「へぇ!おめでとう。
晶子さん良い人だったし、そんな人がお父さんと結婚してくれるなんて感動だよ」

『そうか、ありがとう。
詳しくはまた会ったときに話すから、近々実家に戻ってきてくれ』

「うん、わかった」

お父さんが再婚。
良い人が見つかって本当に良かった。
あとは、これで娘に対する心配性も治ってくれるといいんだけど。