第二秘書は恋に盲目

それにしても、才能のある人というのは皆どこか変な部分があるみたい。
槇島さんが絵美さんは変態だって言ってたのが、今なら少し分かる気がする。

「あ、それと…」

ようやく落ち着きを取り戻した絵美さん。やっと本題に入れそう。

「私の本名は槇島絵美。
大輔の姉よ。弟がお世話になってるわね」

槇島…!!
さらっと大事な情報をぶっこんできたよ!

「ま、槇島さんのお姉さん、でしたか!

こちらこそ、槇島さんには秘書になった時からずっとお世話になってます」

何で教えてくれなかったんですか、槇島さん!

あ…。そういえば、さっき絵美さん、弟に女装させてたって言ってなかった?
それが槇島さんってことなの?

…お気の毒に。
この時私は、槇島さんに心底同情した。